食物アレルギーを完治させるための治療薬は、残念ながら現在のところ、まだありません。でも、食物アレルギーを起こさないようにするための食事療法やアレルギー症状が起こってしまった場合の対処療法などはあります。
今回はこれらの治療法について、説明していきたいと思います。
食物アレルギーと診断された場合、アレルギーを起こさないために、原因となるアレルゲンを体内に摂取しないようにすることが基本です。
これを「除去食療法」と言います。
除去食療法を行う時は、きちんと病院へ行って、何がアレルゲンなのかを調べてもらう必要があります。食物アレルギーの疑いのある食材の全てを除去してしまうと、栄養バランスが偏ってしまうからです。
栄養バランスの偏りは、特に子供にとっては問題です。またアレルギーを持っている子だけ皆と違う食事だったりすると、子供は孤立感を感じてしまうこともあります。
また、アレルゲンであっても、加熱すれば大丈夫だったり、少量であれば症状が起こらなかったりすることもあります。必要以上に除去する必要もありませんし、医師と相談しながら、代わりとなるような食品を献立に組み込んでいくといいと思います。
そして、それでも症状が出てしまった場合などを考えて、治療薬を常備しておくといいでしょう。発症した症状によっても、治療薬の選択は違ってきます。
治療薬は、食物アレルギーの治療をするための薬ではなく、発症してしまった症状を軽減させるための薬だと言うことを頭に入れておいてください。
病院で主に処方される薬としては、アトピー性皮膚炎によるかゆみなどの場合は抗ヒスタミン剤、じんましんなどに対処する薬はステロイド剤です。